シーソーゲームにガツンと終止符を打った。追いすがる獅子を振り払ったのはソフトバンク打線の「１点じゃ足りない！」の合言葉だった。

　殊勲の決勝打を放った上林がお立ち台で照れた。「最後の１本しか打ってないのにすみません。他の選手がいっぱい打って、ありがたいです」。同点の８回裏。中村晃、松田の連打で無死一、三塁。牧田の変化球を右前に運び中村晃を決勝のホームに迎え入れた。先陣を切った中村晃は言った。「この球場１点差じゃ勝てません。とにかく塁に出ようと思った」。上林の一打で勝ち越し成功すると、途中マスクの高谷も右前タイムリーで続いた。打撃戦ながら３連打以上がなかったが、最後の最後でつながった。４連打で２得点。いやいや、まだ終わらない。２死二、三塁から途中出場の福田がトドメを刺した。シュリッターから中堅越えの２点適時三塁打を放ちピリオドを打った。「ここは何点あっても足りない。いい追加点になりましたね」と、福田も満足げだ。

　準本拠地・北九州での今季ラスト試合。お祭り好きの「小倉っ子」にはたまらない終盤の乱れ打ち。西武に３連勝。奪首に向け後半戦は最高のスタートを切った。【佐竹英治】