中日の“投壊”が止まらない。10点差を逆転された前日26日に続き、この日も11失点と一方的な展開にされ、屈辱的な形で最下位ヤクルトに3タテを食らった。5連敗で借金はワーストタイ12に逆戻り。ショックが大きすぎる神宮の夜だ。

 練習開始前。球場の三塁側ファウルグラウンドにナイン、スタッフ全員が集められた。ホームでは投手、野手別に円陣を組むことがあっても、ビジターで、しかも全員集めるのは異例のこと。輪の中心にはもちろん森監督がいた。衝撃的な逆転負けから一夜明け、何とか流れを変えたかった。「切り替えてやろう」という趣旨のハッパを、誰もが神妙な顔で聞いた。

 だが指揮官の思いに、今季初登板の小熊が応えられない。初回に不運な安打が続き、2失点とつまずく。3回、4回にはバレンティンに被弾して7失点。ともに初球を運ばれた。「(初回は)球が高かった分、間に落ちたと思う。とにかく自分の投球をするだけだったけど、できなくて悔しい」。森監督も「自分の投球ができていないからだよ」と同じ言葉を口にした。

 23日の広島戦から4試合で計43失点、64安打。この間、のべ19投手が投げたが無安打での降板は皆無。近藤投手コーチは「今日は小熊がしっかり、と思っていたが、結果的にバレンティンにやられた。ブルペンではよかっただけに、もったいない」とうめいた。

 投手の踏ん張りに支えられて20日前には「3」まで減らしていた借金が、みるみる膨らんできた。遠のくAクラス。踏ん張れるのか、総合力が問われている。【柏原誠】