日本野球協議会「侍ジャパン強化委員会」は31日、都内で会見し、侍ジャパンのトップチーム次期監督に前日本ハムの稲葉篤紀氏(44)が、強化本部長に山中正竹氏(70)が就任すると発表した。契約期間は「20年の東京五輪が目標。目標に即した期間」(井原委員長)となる。背番号は80に決まった。

 稲葉氏は就任に際し「20年のオリンピックは国を挙げての大会になる。今は感謝の言葉しかない。監督経験がない不安もありましたが、3年後の五輪に向けて何ができるのかという思いが上回った。どういうスタイルかは考えている最中。大事にしているのはチームの和。強く結束して侍の誇りを胸に戦う」と話した。

 目標は「3年後に東京五輪があり、しっかり金メダルを取りたい。北京五輪で野球がなくなり、もう1度リベンジをしたくなった。金メダルを取る喜びを分かち合いたい。チーム編成はここから3年かけてじっくりやっていく。自分は全力疾走でやってきた。熱い選手を集めて、熱い戦いをしたい」とした。

 3年後に最大目標を置くため、若い選手の抜てきが注目される。「アマチュアでもいい選手は選んでいく。アンダーも意識しながら見ていく必要がある」と明言。早実・清宮幸太郎内野手(3年)については「非常に素晴らしい選手。非常に興味がある。高校通算108本ですか(実際は107本)。これから抜く選手はいないかもしれない。パンチ力があり、本塁打も打てる。左のホームラン打者は、ソフトバンクの柳田選手はいますが、なかなかいない。高校からどこに進学するか分からないが、スピードに慣れていく必要がある。見守り続けたい」と話した。

 稲葉氏は、14年までヤクルト、日本ハムでプレーし引退。日本代表としても北京五輪、第2、3回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に出場している。現役引退後は、日本ハムのスポーツ・コミュニティ・オフィサー(SCO)に就任。侍ジャパンではプレミア12、今春のWBCで打撃コーチを務めていた。

 稲葉新監督の初陣は、24歳以下の(オーバーエージ3人)メンバーで台湾、韓国と対戦する「アジアプロ野球チャンピオンシップ」(11月16~19日、東京ドーム)になる。