日本野球協議会「侍ジャパン強化委員会」は31日、都内で会見し、侍ジャパンのトップチーム次期監督に前日本ハムの稲葉篤紀氏(44)が、強化本部長に山中正竹氏(70)が就任すると発表した。契約期間は「20年の東京五輪が目標。目標に即した期間」(井原委員長)となる。背番号は80に決まった。

【一問一答】

 -監督の打診に即答したのか

 いえ、即答はしませんでした。そんな即答できることじゃないと思いましたので、じっくりと家族も含めていろんなことを考えさせていただきました。

 -受諾した決め手

 やはり3年後の東京オリンピック、これは56年ぶりということで国を挙げての記念すべき大会でもありますし、また野球が復活するということで、ここでしっかりと金メダルを取りたいと。私個人の話になりますけども、北京五輪に2008年に出て、メダルを取れずに帰ってきて、そこから野球がなくなりまして、もう一度リベンジしたいという気持ちがずっと僕の中であって。東京五輪で野球が復活し、このタイミングで監督という重要な立場の中で、もう一度リベンジさせてもらえる、そこに金メダルを取る喜びというのものをみんなで分かち合いたい。そういう思いで決めさせていただきました。

 -チーム編成

 まだチーム編成というのは、これから3年かけてじっくりやっていかないといけないのかなと思っているところではございますけども。とにかく野球というスポーツで国民の皆さんを元気にしたい。若い選手からベテラン選手までバランスの取れたチームを目指したいなと思いますし、僕は全力疾走でずっとやってきましたので、とにかく最後まであきらめない、全力でプレーをするというメンバーを、そういう熱い選手たちを集めて、熱い戦いをしていけるように人選していきたいなと思っております。

 -イチローや上原ら、メジャー組も含む可能性

 オリンピックの大会はたぶん、メジャーは参加はされないと思いますので、なかなかそこについては難しいのかなと思いますけども。若い選手は、本当にいっぱい良い選手が出てきましたので、11月にアジアチャンピオンシップもありますけども、そこで3年後に向けて若い選手も試していきたいですし、いろんな選手に日の丸を背負って経験をしてもらいたいという思いで、これからいろいろ見ていきたいと思います。

 -24歳以下の注目選手

 いっぱい良い選手がいますので、個人名は控えさせてもらいますけども、すごく楽しみですし、日の丸を背負ってしっかり戦いたいという強い気持ちを持った選手、メンバーをしっかりと人選して、ヒアリング、コミュニケーションをとりながら選んでいきたいと思います。

 -思い描く監督像

 今年3月のWBCはコーチをやっていた中で、やはり、僕は引退してまだ3年目なので、選手目線ではありますので。監督になる立場ではありますけども、とにかく選手とコミュニケーションをたくさん取りながら、良きアニキ的な存在、そういうチームがつくれたらなと。たくさんコミュニケーションをとっていきながら、小久保監督も若かったですけども、それ以上に僕は若いので、どんどん動きまわりながら活発なチームをつくっていきたいと思います。

 -稲葉ジャパンの目指すもの

 もちろん金メダルです。そこしか目指してません。目標は必ず金メダルということを、これから代表に入る選手には絶対に伝えようと思いますし、とにかく金メダルだけを目指してやっていきます。

 -チーム編成はオールプロか、アマチュアも選考対象か

 これはプロじゃなくてもいいので、アマチュアでも非常に良い選手がいれば、当然選ばれるべき選手は選んでいこうと思います。そこに向けて僕自身もアマチュア野球といいますか、アンダーというのもこれから意識しながら見ていく必要はあると思っておりますので、3年かけてじっくりいろんな選手を見ながら考えていきたいと思います。

 -21年WBCまで指揮を執りたい気持ちは

 オリンピックという大会は選手の人数も限られますし、コーチの人数も非常に限られる。2021年のWBCの大会は、またちょっと違うのかなと思っておりまして。とにかく今はオリンピックに向けて、コーチの人選も含めて今迷っている最中ですので、そういう意味でも今は、オリンピックで金メダルを取るということしか頭にないので、そこに全力を注いでやろうとしてます。

 -早実・清宮の印象、将来的な代表入りの可能性

 非常に素晴らしい選手でありますし、非常に僕の中で興味を持っている選手です。高校通算107本、これはこれから抜く選手はなかなかいないんじゃないかという記録を出しましたし、非常に体も大きくなり、パンチ力もあってホームランも打てる。左打者でホームラン打者というと今、ソフトバンク柳田選手はいますけども、なかなかああいう選手は出て来ない中で、非常に僕の中では興味があって。高校から次にどこに進学するのか分かりませんけど、今度はスピードに慣れていくというのが今度は大事になっていきますので、そこも含めて、いろんな可能性を含めて今後見守り続けたいなという選手ではあります。