巨人菅野智之投手(27)が自身5連勝で、両リーグ最速の12勝目をつかんだ。序盤に大量援護を受けると、中盤以降はフォークを増やすなど今後も見据えた配球も試して8回1失点。「とにかく粘り強く長い回を投げることを考えた。ホッとしてます」とお立ち台で声を弾ませた。

 連敗ストップのほかに、もう1つ闘志をかき立てられる出来事があった。相手の先発小笠原は、東海大相模高の後輩。初回から思い切り左腕を振る姿を、一塁側ベンチから見た。「まだまだ負けるわけにいかない」という意地とともに、かつて広島のエース前田(現ドジャース)に挑んだ昔の自分が小笠原と重なった。

 前田とは13年から7度対戦し4勝2敗。4度目の対戦までは1勝2敗で「手も足も出なかった」と圧倒された思いしかない。それでも必ず投げ勝つという思いを持ち続け、15年には3連勝。前田という高い壁があったからこそ飛躍できた。

 今度は自分が“壁”になる番だった。球数が増えても、直球と変化球を投げ込み今季最多12奪三振。4回途中からベンチに座っていた後輩に力を見せつけた。「マエケンさんに投げ勝つのを常に目標にしていた。彼ともそういう勝負をしたい。やりにくかったけど、投げっぷりも良かったし迫力を感じました。いいものを見せられた」と笑った。

 快投でチームの連敗を2で止めたが「いつも点を取ってくれて頼もしい」と野手に感謝。エースの貫禄を増しながら、巨人の再逆襲を引っ張る。【浜本卓也】