楽天オコエ瑠偉外野手(20)が2試合連続2安打と今季初盗塁をマークした。6日のロッテ戦に3試合続けて「9番右翼」で先発。3回に右前打で出塁すると、次打者の初球に二塁盗塁に成功。8回にも中前打を放ち、その後、この日チーム唯一のホームを踏んだ。梨田監督も「彼が出るとワクワクする」とプレーを評価。ロッテ戦3連勝は逃したが、オコエの「覚醒」は収穫だ。

 3連勝はならずも、今後に期待を抱かせるオコエのプレーだった。梨田監督が言う。「彼が(試合に)出ることで、スリリングというか、ワクワクさせてくれる」。ロッテ先発二木に4安打1得点。好機すら乏しいゲームで、オコエが本拠地のファンを沸かせた。

 3回1死から鋭い打球で一、二塁間を抜く。チーム初安打で出塁すると、次打者の初球に盗塁成功。捕手の送球がそれる間に三塁まで進んだ。

 オコエ あのヒットは昨年までだったら抜けていない。そのへんはレベルアップしたかな。盗塁はスタートを切って、だめなら戻ればいいし、割り切ってました。

 左脇が開き、バットのヘッドが下から出てくるのが悩みだった。打席でバットを寝かせると同時に、高校時代から取り組んでいた練習も再開。ティー打撃では、左手1本でバットを半分の長さに持ち、左脇を締めて打ち返す動作を何度も確認。オコエの表現を借りると「かむ打球」が増えてきたという。

 8回の2本目の安打は、仲間がてこずった二木のフォークをはじき返したもの。「前の打席で狙ってない球に手を出した(内角球を打って三ゴロ)反省を生かしました」と学習能力も高まった。

 オコエ (新人だった)昨年は1軍に対応するのに時間がかかったけど、今年は違います。ただ、これからですね。いろんな投手と対戦して、自分の課題がまた見えてくると思う。

 無我夢中だったルーキー時代とは違う落ち着きがある。ケガや不注意で出遅れた分、自分を見つめ直す時間もあったのだろう。ペゲーロや岡島らが帰ってくるまで、オコエがどれだけチームを支えるか、そこが見たい。【沢田啓太郎】