巨人阿部慎之助内野手(38)が2000安打達成ウイークに挑む。金字塔まで残り6安打で、7日はオフで英気を養った。今日8日からの阪神3連戦には本拠地東京ドームでの記録達成が、11日からの広島3連戦(マツダスタジアム)には4勝13敗と苦手とする相手で上位浮上への機運づくりがかかる。どちらで決めても、意味深い一打となる。

 「プロに入ってから一番応援してもらった東京ドームで決めたい」という思いの体現には3戦で6安打の固め打ちが必要になる。今季99戦で3戦以下での6安打は開幕3戦連続のマルチ安打と、8月2、3日ヤクルト戦での2戦連続猛打賞だけ。可能性は高いとは言えない。

 それでも予想される相手先発との相性は申し分ない。初戦の岩貞には9打数3安打の打率3割3分3厘、2戦目の青柳には10打数5安打の5割、そして3戦目のエース・メッセンジャーには77打数27安打の打率3割5分1厘を誇る。助っ人右腕には5本塁打、22打点もマークしており、試合を左右する打撃となるかもしれない。

 広島に勝たなければAクラス入りも見えてこない。首位相手に9つの負け越しは、現在抱える借金4を大きく上回る。今年正月の始動時に「自分の記録は二の次だよ。まず勝ちたい」と語っていた通り、勝利に直結する一打を追求する。

 高まる周囲の期待の中で静かにその時を待つ。球団生え抜きでは4人目、21世紀デビューのドラフト入団者初となる偉業へ、歩を進める。【広重竜太郎】