中日は執念の延長12回引き分けに持ち込んだ。鈴木が7回1失点と好投し、8回からは谷元、田島、伊藤、岩瀬、又吉が無失点でつないだ。

 開始2時間前、選手・スタッフ全員が集められ、森監督から悲しい知らせが伝えられた。監督の長女の矢野麗華(やの・れいか)さんが、7日に乳がんのために川崎市内の病院で、35歳の若さで亡くなった。

 指揮官は6日の東京ドームの試合後、7日まで寄り添っていたが、名古屋に帰る新幹線の中で連絡を受け、引き返したという。「ちょうど(週末が)東京ドームで、月曜で試合もなかった。久しぶりにゆっくり時間を過ごせた。天命、運命と思って俺はある程度の覚悟はしていたんだけどね」。試合後、自ら経緯を説明した。この日は少し遅れて球場入りしたが、穏やかな表情で通した。

 鈴木は7回1死までノーヒット投球。この回1点を失ったが、その後の2死満塁をしのいだ。「あれだけの投球をしてくれた。あそこを抑えれば今後につながる。よく踏ん張った」と称賛した。「最近はリリーフも頑張ってくれている。勝てれば一番よかったんだけど、広島相手にこういう試合ができたというのがね」と笑みを浮かべた。【柏原誠】