本拠地での通算2000安打達成に、望みをつないだ。巨人阿部慎之助内野手(38)は大台まで残り6本で迎えた阪神14回戦(東京ドーム)で、先制打を含む4打数2安打。チームを完勝に導くとともに自身通算1996安打に伸ばし、大記録まで残り4本とした。東京ドームでの試合は、今週は今日9日からの阪神戦2試合のみ。上げ潮ムードに乗って、今カード中の偉業達成を視界にとらえた。

 ひと振りで、球場のボルテージを一気に引き上げた。阿部は1回1死一、二塁。岩貞のカットボールが浮いたのを逃さなかった。打球は二塁手の右を鋭く抜いた。2000安打まで残り6本で迎えた本拠地での阪神3連戦の初戦。その初打席で、いきなり先制適時打を決めた。周囲の高まる期待に応え、早々とカウントダウンを刻み始めた。

 1本では終わらない。3回2死一塁での第2打席では右前打でメモリアルムードを一気に高めた。阿部が生んだイケイケムードが打線の背中を押し、打者10人で4得点の猛攻を演出。守備でも4、6回と一、二塁間へのゴロを好捕し、一塁カバーのマイコラスに素早く送球。軽快なプレーで好調ぶりを示し、偉業の早期達成ムードを加速させた。4打数2安打で8回守備から交代。「初回のチャンスで先制点を挙げられて良かった。守備はまぐれです。勝ったのが大きい。打って盛り上がった? ありがたいですね」と感謝した。

 プロ17年目の38歳。期待に応えるスーパーヒーローぶりは健在だ。打棒が振るわなかった7月下旬のDeNA戦の試合前だった。食事をとることなく、フォームチェックなどに没頭し、プレーボールを迎えた。