帰ってきたサブマリンが巨人打線を5回無失点に抑えた。阪神青柳が6月30日ヤクルト戦以来、40日ぶりの先発。岩貞が降格し、秋山も負傷離脱した大ピンチで、頼もしい救い投げだ。

 ヤマ場は無安打ピッチで迎えた5回だ。先頭阿部に死球を与え、連打で2死満塁。だがここで、前日本塁打を放った代打石川を宝刀スライダーで右飛に斬った。「切り替えることができた。久々の試合で、緊張しっぱなしでした」。ホッとした笑顔で振り返った。

 巨人キラー健在を示した。昨年は4試合で1勝3敗ながら防御率2・10の安定感。坂本勇を6打数1安打、長野には9打数無安打と抑えていた。「チャンスをいただいたので応えたい」。その言葉通り力強い投球で6奪三振、2安打と沈黙させた。「昨年と今年は(打線が)違うなと思います。三振が取れた時もストライク先行でいけた」。中でも坂本勇は1回にボール球のスライダーで三ゴロ、4回は内角低めの際どいコースにスライダーを投げ見逃し三振。お得意様ぶりを発揮した。

 降格の要因となった40日前のヤクルト戦は、1イニング3死球と荒れた。金本監督は「突然、ああなるのは成長がないのかな」とバッサリだった。だがこの日の指揮官は「5回2安打ですからね。期待以上のモノを出してくれました」と成長をたたえた。「僕自身も最後と思って投げています。ダメならファームと思って投げました」。背水ピッチで苦しい先発陣に光をともした。【山川智之】