日本ハムのドラフト1位堀瑞輝投手(19)が、今季中の先発デビューを目指し、再調整に入る可能性が浮上した。11日、福岡移動の前に仙台空港で取材に応じた栗山英樹監督(56)が明かした。救援としてチームに同行中の左腕について「(2軍に)帰すかもしれない。先発ができないか。短いイニングはいけることがわかった」。今季終盤で先発デビューさせるために、近日中に再調整させる考えを明かした。

 9日楽天戦での堀のプロ初登板は圧巻だった。2点を追う6回に3番手としてマウンドに上がると、阿部、嶋から連続三振を奪うなど、1イニング打者3人を完璧に抑え、反撃ムードをつくり出した。「緊張しました。人生で1番だったと思います」と、本人はガムシャラだったが、堂々としたマウンドさばきは評判通りだった。

 将来的な守護神候補とも考えている指揮官だが、その素質は前回登板ですでに明らかになった。そこで「抑えプラン」はあたためつつ、先発としての可能性を探る。高卒新人は高い実力を証明したからこそ、再び2軍で爪を研ぐ。

 投手としての幅を広げることはもちろん、チームにとっても、その方が貢献度が高まる可能性がある。同監督は「今年足りないものはなんだったか」。連覇を狙った今季は、99試合を終えて借金31と大苦戦。その要因のひとつが、先発ローテーション投手の不振だ。開幕投手の有原は1度登録を抹消されるなど5勝10敗。加藤が4勝(5敗)、高梨が3勝(7敗)と苦しみ、特に序盤で失点して劣勢を強いられる展開が続いた。栗山監督は「今、何が必要なのか。ていねいに考えている」。来季以降も見据えてチームを立て直すために、堀は重要なキーマンになる。【本間翼】