「幻弾」からの3安打だ。阪神鳥谷敬内野手(36)が今季3度目の猛打賞をマークした。始まりは2回1死三塁の場面だった。DeNA石田の直球を強振。打球は左中間の外野フェンス上部に直撃し、大きく弾んでグラウンドに転がった。鳥谷は二塁でストップしたが、判定は本塁打。それを確認した鳥谷は、ゆっくりと生還。ベンチでハイタッチを交わした。

 ところが、事態が一変する。DeNAベンチから審判団にアピール。リプレー検証の結果、判定が覆り二塁打となった。「3号2ラン」が一瞬にして「適時二塁打」になってしまったが、鳥谷は「入らなくてもいいよ」と苦笑い。「(打球は)見えなかったです」と振り返った。貴重な先制打であることに変わりはなかった。

 ここから2000安打のカウントダウンを加速させた。7回には左前打、9回には中前打と猛打賞をマーク。区切りの数字まであと29本とした。だが、鳥谷は5回無死二塁で二ゴロに倒れた場面を反省。「チャンスで凡退しているんで。あそこで何とか打てれば良かった」と、表情を引き締めた。【桝井聡】