この男のバットを待っていた。西武森友哉捕手(22)が、自身の“開幕戦”で2安打3打点の大暴れ。チームを3連勝に導いた。この日、左肘骨折から1軍に今季初合流。即「7番DH」のスタメン起用に応えた。1回の適時打が着火剤となり、打線は今シーズン最多の17得点。楽天を首位から引きずり降ろした。貯金は06年以来、11年ぶりの20で、2位まで4・5ゲーム差。若き大砲が獅子に再び勢いを吹き込んだ。

 大歓声が迎え入れた。今季104試合目での“開幕戦”。お立ち台に上がった森の顔には充実感がにじんだ。「めちゃくちゃ緊張しました。連勝を止めないように、という気持ちで試合に臨みました。(歓声には)鳥肌が立ちました」。西武ファンが待ちに待った男が帰ってきた。

 1球目はフルスイングと決めていた。押し出し四球などで2点を先制した直後の1回2死一、三塁。150キロ直球を振り抜き、中前にはじき返した。「強気にいきたかったので。初球からタイミングが合う球は全部振ろうと思っていました」。同点に追いつかれた直後の4回2死一、三塁での2点三塁打も初球。外角148キロを完璧にとらえて左中間を破った一打に「いいところで理想の打撃ができた。逆方向への長打は調子がいいときの打球なので」とうなずいた。