DeNA倉本がサヨナラ勝ちへ導いた。9回1死一塁で、中日岩瀬の2球目、甘く入った高めの球を狙った。「抜けてくれ!」という願いとともに、中堅やや右へはじき返す二塁打となり、今季4試合目のサヨナラ勝利をもたらした。

 昨年5月12日、同じ中日相手に打って以来のサヨナラ打だが、チーム内での役割は大きく変わった。1年前は6番だったが、今季途中から「8番投手打線」のチーム方針を受けて9番に入り、1番桑原との「ダブルリードオフマン」(ラミレス監督)を担う。「最初は3度見くらいした。でも塁に出て次につないで得点が入るケースが増え、やりがいを感じた」と受け入れた。

 打撃フォームを変え、バットを体の近くで構えて内角球にも対応できるようになった。右腕よりも左腕に強く、ビジターよりもホームで打つ。得点圏打率3割4分1厘で、打率2割6分4厘を大きく上回る。すべての条件が整っていた。打率1割台に低迷した4月も使い続けたラミレス監督に「信頼して使ってくれた監督に少しでも恩返しをしたい」と結果で応えた。

 前日15日には、球場を訪れた恩師の横浜高・渡辺前監督から激励を受けた。「渡辺監督と出会って野球人生がスタートした。感謝の気持ちは強い」。2人の恩師に恩返しの一打となった。【栗田成芳】