虎の悪夢の連敗を3で止めたのは、ベテラン福留孝介外野手(40)だった。広島20回戦(京セラドーム大阪)で、同点の9回1死満塁でサヨナラ中犠飛。敗戦とともに故障者続出で危機的状況に陥っていたチームに、3打点の活躍で白星を運んできた。首位広島に一矢。敗れれば、3位DeNAに0・5差に迫られていたところだったが、踏みとどまった。

 珍しく両手を突き上げて喜んだ。4-4で迎えた1死満塁。3番福留が1ボールから中田のフォークをすくい上げた。浅い位置で中堅丸が捕球すると三塁走者俊介がスタート。送球がそれる間に本塁になだれ込んだ。「三塁走者が俊介だったし、楽な気持ちで打席に入れた」。一塁側ベンチから阪神ナインが福留目掛けて飛んでくる。40歳が歓喜のシャワーを浴びた。

 「選手全員が3連敗しないという強い気持ちで臨んだ。たまたま僕が決めただけ。みんながつないでくれたから」

 福留のバットからことごとく得点が生まれた。初回は見逃し三振に倒れたが「あのふがいない三振をしたので取り返そうと思った」。続く3回には左前適時打、5回1死一、二塁の場面では変化球を右翼線に運ぶ適時二塁打。4打数2安打3打点と暴れ回った。