オリックスに希望の星だ。高卒ルーキー山本がプロ初登板初先発で5回1失点の好投。78年の三浦広之以来、球団39年ぶりの初登板初勝利はならなかったが、楽しみな若手の登場だ。

 圧巻は勝ち投手の権利がかかった5回だ。1死満塁で代打井口。今季で引退を決めている42歳との対決に「テレビで見ていたあこがれの選手でしたが、しっかり楽しもう」と腹をくくった。カウント3-1と押し出しのピンチでも動じず、スライダーを連投。三ゴロ併殺に仕留めた。

 プロ入り後、トレーニングでパワーをつけた結果、直球の球速は3キロアップし、最速154キロに。この日も152キロをマークした。勝ち投手は逃したが、上々の初登板だ。山本は「いろいろ課題が見つかりました」と話したが、指揮官は「まっすぐも強く、四球を出す心配がない。大したもの」と絶賛。1度出場選手登録を抹消するが、10日後に再度先発させることを明言。次は白星をつかむ。

 ◆山本由伸(やまもと・よしのぶ)1998年(平10)8月17日、岡山県生まれ。伊部小の伊部パワフルズでは捕手。東岡山ボーイズでは二塁手として全国大会出場。都城での甲子園出場経験なし。昨年ドラフト4位でオリックス入団。177センチ、77キロ。右投げ右打ち。背番号43。