新旧主将の1発で東海大北海道が北大を下し、4季連続優勝へ好発進した。口火を切ったのは新主将の5番大河内航右翼手(3年=東海大四)だ。2回1死、直球を中堅にはじき返す先制弾。「ノーデータの投手だったけど、投球練習を見て強くスイングすることを意識した」と胸を張った。

 後輩の一撃に前主将、1番中西郁人三塁手(4年=東海大四)も黙っていない。5-2で迎えた6回1死二塁。「1、2打席と良くなかった悔しさがあった」。4打席目に強振した打球は左翼フェンスを越え、芝生ではずむ本塁打。4回に失策絡みで2点を献上した嫌な流れを断ちきった。

 盤石の体制で日本一を目指す。6月の全日本大学野球選手権は準決勝で立大に敗れるも初の4強。高橋葉一監督(52)は「悔しさ半分、自信も半分」と振り返る。大会後、大河内が新主将に。例年なら副将も3年生に変わるが今年は前主将の中西が務める。大河内は「(中西の存在で)4年生も遠慮することなくやりやすい」と信頼を寄せる。

 ともに東海大四(現東海大札幌)出身。中西は「頼もしい主将」と話し、大河内も思いは同じだ。主将として嫌われ役を担った中西を見習い、守備位置までの全力疾走からグラブの置き方、ゴミ拾いまで部員に求めている。大河内は「東海大四からの流れ。最後の最後、こうしたことが運になってくれる」と話す。

 11月の明治神宮大会までにはリーグ制覇、道代表決定戦と続く。大河内は「目標は日本一だけど、目の前の1戦をしっかり戦っていきたい」と気を引き締めた。【浅水友輝】