オリックス小谷野が、両軍合わせて19得点の乱打戦にけりをつけた。1点を追う8回、西武シュリッターから代打逆転6号3ラン。2連勝に導いた。「勝ちパターンの投手だし、追い込まれると厳しくなる。初球から振っていこうと思った」。体調不良で2試合ぶり出場。それでいて初球を左翼席に運ぶ姿は、まさに必殺仕事人のよう。試合中のベンチ裏ではスイングより体を温めることを重視。ひと太刀に勝負をかけた。

 36歳のベテランは「(武田)健吾の打席をもらったので、一緒に打った気持ち」と後輩を思いやる優しさも見せた。開幕前、福良監督は小谷野の年齢と体調を考慮し「栄一は年間100試合くらいかな」と見通しを語っていた。だがもう106試合目。若手に小谷野に代わる正三塁手はおらず、存在感はまだまだ大きい。日本ハム時代から勝負強さを知る指揮官は「とっておきがいましたね。万全じゃない中でいい仕事をしてくれた」と最敬礼だった。