<とっておきメモ>

 プロ3年目のDeNA飯塚悟史投手(20)が、6度目の先発マウンドでプロ初勝利を手にした。

 飯塚はどん底からはい上がった。プロ入り1年目の5月、2軍戦で遠征中だった宮城の宿舎で朝起きると突如、右肘に激痛が走った。痛みの原因だった骨棘(こっきょく)除去手術を受け、その年のシーズンを棒に振った。そんなどん底で迎えた秋季キャンプでラミレス監督と出会った。

 キャンプで投げる飯塚の姿を見て、就任間もない同監督が、まっさらなラミレスノートにペンを走らせた。1ページ目に書いた言葉は「Iizuka very good player」。高いポテンシャルに「将来すごい投手になる」と確信した。「フォークを磨け」と伝え、待つこと1年9カ月。「やっとこの時がきた。中日がエースの大野でタフな状況だったが、いい仕事をしてくれた」と指揮官の喜びもひとしおだった。【DeNA担当=栗田成芳】