痛恨の被弾で、50日ぶりの登板は幕を閉じた。今季2度目のマウンドに上がった日本ハム大谷翔平投手(23)は、同点に追いつかれた直後の4回、福田に3ランを浴びたところで降板した。「そんなに投げ心地はよくなかった。ここ一番でああいう失投が出るのはまだまだ」。メジャー14球団がネット裏に駆けつけた“品評会”は、4回途中4失点で終わった。

 押し出し四球などで自滅した7月12日オリックス戦とは違った。3四球は与えたものの、今季最速の160キロをマーク。4回1死までは無安打に抑え「0でいけたのはよかった。前よりは進歩している」と手応えもあった。

 だが、どうしても不足しているのが実戦勘。「打者に投げている感覚じゃなかった。打者と向き合ったときに駆け引きがしたい」。まだ2度目の登板で、それも約1カ月半のブランクがあった。投球フォームのバランスは修正され、制球もまとまってきたが、まだ自分自身との勝負。「今足りないところ」と分析した。

 レンジャーズ、ドジャースなど、ズラリと並んだ「メジャーの目」。初めて視察したヤンキースのキャッシュマンGMは、ときおり笑みを見せ、報道陣の雑談には応じながら、大谷については「ノーコメント」と言及を避けた。次回登板は体の状態を見ながら決定される。大谷は「今日の投球を踏まえて、次につながるようにやっていきたい」と、完全復活を目指していく。【本間翼】