泣きっ面にハチだ。中日は8回に再逆転を許した。甲子園にかかった2つのアーチも痛かったが、その上4つも死球を受けたのだからたまらない。

 ゲレーロがキレた。7回2死一、三塁で、桑原の内角球が左手を襲った。2回にも青柳に右太ももに当てられており、この日2つ目。ベンチに下がると、ヘルメットをグラウンドに投げつけた。試合に戻ることはなかった。左手をアイシングとテーピングでぐるぐる巻きにした主砲は「まだ痛いよ。前のように腫れてはいないけど、明日は様子を見てからだ」とため息。リーグダントツ、両リーグ最多タイの14死球になった。

 「大島ショック」の翌日だけにヒヤリとさせられた。8月13日にビシエドが右腕尺骨骨折、前日には大島が左足腓骨(ひこつ)骨折と、主軸が死球で今季絶望になった。チームはリーグダントツの57死球。青柳の投球が京田の背中を通る場面もあった。乱闘にならないのが不思議なほどの内角攻めにあってきた。森監督は死球の多さに「知らないよ」と特にコメントしなかった。

 ゲレーロ自身も7月に死球で右手を痛め、欠場や打撃の調子を落とした時期があった。チームの目標がない寂しい9月だが、ゲレーロの本塁打王は京田の新人王と並ぶファンの最大の関心事。楽しみをこれ以上奪われるのはゴメンだ。【柏原誠】