ソフトバンクがオリックスに8-0と圧勝し、今季3度目の6連勝。貯金を今季最多44とし、優勝マジックを「10」とした。最短Vは13日。武田翔太投手(24)が今季初の完封で5勝目をマーク。5番アルフレド・デスパイネ外野手(31)が3回、パ・リーグ一番乗りの30号3ランを右翼席へたたき込み試合を決めた。4番柳田悠岐外野手(28)は29本塁打と、チーム内で高め合う主軸が、他球団の脅威となっている。

 志願してマウンドを守り抜いた。武田が昨年7月26日の楽天戦以来、約1年1カ月ぶり自身4度目の完封勝利で5勝目を挙げた。「今まで(チームに)迷惑ばかりかけていたので、長いイニングを投げないとと。7回くらいに『あと2回行けます』と言いました」と快投の舞台裏を明かした。しかも無四球での完封に「素直にうれしい」と喜んだ。

 今季最多132球の熱投。登板のたびにつっていた足の心配もなかった。8安打を許しながら要所を締めた。140キロ台後半の直球を軸にカーブ、スライダーを駆使してオリックス打線を封じた。14勝を挙げた昨年後半からオリックス戦は4連敗。今季も7月5日(ヤフオクドーム)1試合に先発したが、T-岡田、マレーロに1発を浴びるなど5回途中KO。オリックス戦勝利は昨年5月15日以来、約1年4カ月ぶりだった。

 「疲れはあったけど、しっかり腕を振っていこうと思った。9回もしっかり振れた」。エース候補といわれながら、WBC終了後は右肩違和感もあり、不調続き。ようやく求められる「結果」を出した。「自分でも期するものがあったんじゃないか。この先もあるから、こういう投球を続けてくれると僕の中の(先発起用の)選択肢が増える。CSも行けるんじゃないかな」。普段は辛口の工藤監督も口元がゆるんだ。【佐竹英治】