ロッテ井口資仁内野手(42)が日米通算21年間の現役生活を終えた。

 この1カ月は2軍で調整してきた。久しぶりの実戦に「6番DH」でフル出場。2回先頭の第1打席で、高梨から左前打。いきなりの安打に両手をたたいて喜んだ。

 4回の第2打席は二ゴロも、一塁へ全力疾走した。

 6回の第3打席は、高梨の高め146キロをフルスイング。空振り三振に倒れた。

 1-3で迎えた9回無死一塁、増井の149キロをバックスクリーン右横に放り込んだ。日米通算295号が、土壇場の同点弾となった。

 延長11回、先頭で打席が回ってきたが、鍵谷に右飛。これが現役最後の打席となった。ベンチ前に戻ると、ヘルメットを取ってスタンドのファンに頭を下げ、感謝の気持ちを示した。

 試合後のセレモニーでは、ホワイトソックスの監督だったギーエン氏ら、懐かしい顔が次々とビデオメッセージで登場。同氏の「すしの正しい食べ方を私に教えてくれました」という話に、笑みをこぼした。

 ソフトバンク王球団会長からは「井口君の印象は、とにかく頑丈。足も速かったし、守備もうまかったし、井口君のファインプレーで勝った試合が随分多かったな、という印象があります。僕は、本当はもっともっとやってほしかったと思いますけど、とにかく自分で決めたことですから。この後の人生、まだまだ先は長いです。野球界のために、また家族の皆さんのためにも、大いにいろいろな形で頑張って欲しいなと思います。本当に、21年間ご苦労さまでした。おめでとうございます」と、メッセージを送られた。聞き入った井口は、目頭を熱くしていた。