楽天が逆転勝ちで、クライマックスシリーズの本拠地開催に望みをつないだ。エース則本昂大投手(26)が4回に1点を失ったが、6回のピンチを無失点で切り抜け、6回1失点で14勝目を挙げた。西武戦の連敗記録を10で止め、これで2位西武とのゲーム差を2に縮めた。今日3日の直接対決を含めて残り7試合。負けられない戦いは続く。

 エースが意地を見せた。2-1と逆転してもらった直後の6回。連続三振で2死を奪ったが、ここから安打と2四球で満塁のピンチを招いた。岡田に対し、カウント2-2からの6球目、外角スライダーがハーフスイングと見なされた。空振り三振と思った則本は、思わず首をかしげた。息を整え、仕切り直した。130球目。今度はやや高めスライダーで、空振り三振。しっかりとガッツポーズを決めた。「前回は点を取ってもらった後すぐに打たれて。それだけはしたくないと思って」と振り返った。

 脳裏に浮かんだのは、前回登板だった。9月24日のソフトバンク戦は、逆転してもらった直後に3失点して完投負けを喫した。右拳をグラウンドにたたきつけるほどの悔しさを味わった。この日は10連敗中の2位西武との直接対決。CSでも戦う相手に、エースとして負けるわけにはいかなかった。「タダではやられない。そういう姿を見せられた」。自身も今季ここまで3試合に登板して0勝2敗、防御率7・11と苦手にしていたが、払拭(ふっしょく)してみせた。次回登板は、中5日で8日ソフトバンク戦(Koboパーク宮城)。フル回転で、チームの勝利に貢献する。

 チームはこの西武2連戦で連敗すれば、3位確定だった。梨田監督は試合前に「徳俵。今日負けたら、明日はない」と選手にハッパを掛けた。投手、野手が一丸となり、もぎ取った勝利。今日3日は、7連敗中の菊池が相手となる。同監督は「クライマックスシリーズでも戦う相手。何とかね。何とか工夫していく」と意気込んだ。13年以来のCS本拠地開催に向けて、1試合も落とせない。【栗田尚樹】

 ▼則本が今季10度目の2桁奪三振。楽天のシーズン2桁奪三振10度は11年田中(現ヤンキース)に並ぶ球団最多タイ。

 ▼楽天が西武に勝ったのは7月9日の12回戦以来。このカードでは1分けを挟み10連敗中だった。今日3日は昨年5月25日から10戦10敗の菊池が相手で、こちらの連敗も10で止めるか。