阪神金本知憲監督(49)がクライマックスシリーズ(CS)への最終調整の場として、1軍メンバーをフェニックス・リーグ(9日開幕、宮崎)に派遣する考えを明かした。現役時代の経験を踏まえ、実戦感覚と緊張感を維持するプランを固めた。14年にも同様の調整でCSを突破した。宮崎発の下克上ルートで日本一を目指す。

 金本阪神が下克上の実現へ、調整プランを固めた。9日に宮崎で開幕する秋季教育リーグの「フェニックス・リーグ」に1軍メンバーを派遣する。金本監督は「行くよ。野手も全員で」と明言した。5、6日に予定される中日戦(甲子園)が雨天中止になった場合は10日に予備日が入るため、派遣は見送りになる。順当に消化した時、宮崎の短期合宿でCSへの最終調整を行う。

 3位DeNAを本拠地に迎えるCSファーストステージは14日に開幕。リーグ最終戦から中7日の間隔が空く。宮崎派遣の目的は実戦感覚と緊張感の維持だ。金本監督は現役時代の経験を踏まえた。「1週間以上空いたら、ちょっと怖い。選手は楽でいいが、(実戦不足は)不安もある。気持ちが緩まないために」。地元に残り、実戦形式の練習を行う調整法もあるが、緊張感という点では、自軍相手ではどうしても欠ける。投手陣は当初からプレーさせる予定だったが、野手も全員連れて行く決断を下した。9日から2、3試合出場させ、帰阪する流れになる。

 阪神にとっては、「吉兆ルート」だ。14年のシーズンも同様だった。2位でシーズンを終え、宮崎にフルメンバーを派遣。ここからファーストステージで3位広島を破り、ファイナルでは巨人を一気の4連勝で下し、日本シリーズに進んだ。下克上を宣言した金本監督もベストの調整を考え抜いた結果だ。

 横浜、東京の5連戦を終えたナインは、この日オフを取った。中日戦まで3日間、試合がなく、休養と実戦のほどよいリズムでCSに向かうことになる。「CSに向けて、いい調整がしたい」と指揮官は言う。就任初の短期決戦に向け、最高の状態にチームを仕上げる。【田口真一郎】