さらば、良太…。阪神新井良太内野手(34)が今季限りで現役引退することが9日、分かった。

 11日に会見予定。レギュラーシーズン最終戦となる10日中日戦(甲子園)が現役最後のゲームとなる。明るく元気なキャラクターと豪快な1発でファンを魅了し続けた人気者が、惜しまれながらユニホームを脱ぐ。

 バットを高々と放り投げる、あの豪快なアーチに見とれることはもうできなくなる。新井良太が現役引退を決断した。複数の関係者によると、11日に会見が開かれる予定。10日中日戦がプロ12年間で最後のゲームとなる。

 今季は不退転の覚悟で1年をスタートさせていた。16年は46試合出場で打率1割5分4厘、3本塁打と絶不調。17年の年明け、「良太の逆襲、期待しているぞ!」という片岡打撃コーチの言葉が心を奮い立たせてくれた。「こんな落ちぶれたオレなんかに、そんな言葉をかけてくれる人がいる。絶対にやらないかん」。熱い決意を胸にキャンプイン。ただ、「超変革」を掲げるチーム方針のもと、現実は厳しかった。

 開幕1軍メンバーには入ったが、なかなか快音を響かせられないまま出場機会を減らしていった。6月18日に出場選手登録を抹消されると、9月27日に再登録されるまで1軍出場はなかった。今季はここまで16試合出場で14打数1安打、打率0割7分1厘。CSファーストメンバー入りも厳しくなり、レギュラーシーズン最終戦を前にユニホームを脱ぐ決意を固めたもようだ。

 記憶に残る人気者だった。10年オフに交換トレードで阪神入団。兄貴浩とチームメートとなったことでも注目を集め、明るく元気なキャラクターで多くの虎党、仲間から愛された。

 11年4月19日巨人戦では移籍後初安打がプロ6年目で自身初となるサヨナラ打に。12年7月29日DeNA戦では兄貴浩とそろって1発を放ち、セ・リーグ史上初の1試合兄弟アベック弾を決めた。同年シーズン終盤、4番三塁に定着すると、翌13年はシーズン開幕戦でも4番を張った。

 ただ、14年夏に腰の激痛を発症した後は本来の打撃からは遠ざかっていた。さらに信頼する後輩たちが台頭してきたこともあり、プロ生活にケジメをつける決断を下したとみられる。

 今後の進路は未定。まずは現役最終戦となる今日10日中日戦で打席に立つため、最善の準備を尽くすことになる。安藤の引退試合となる一戦。良太にも、割れんばかりの大歓声が降り注がれることになる。