希代のスーパースターが日本での5年間を走り切った。今オフにポスティングシステムでメジャー挑戦の意思を固めている日本ハム大谷翔平投手(23)が9日、今季最終戦となる楽天25回戦(Koboパーク宮城)に「3番DH」で出場した。生まれ育った東北で開催された渡米前ラストゲームは、4打数無安打に終わったが、疲労の残る体でフル出場。唯一無二の「二刀流」として、最後までファンの心に響くプレーを見せた。

<大谷プレーバック>

 ◆二刀流デビュー プロ1年目の13年、6月18日広島戦(マツダスタジアム)で「5番・投手」で出場。投手がクリーンアップを打つのは、63年梶本(阪急)以来50年ぶり。

 ◆10勝+10本塁打 14年8月26日ソフトバンク戦で自身初の10勝に到達。9月7日オリックス戦では10号を放ち、プロ野球史上初の「10勝+10本塁打」を達成。大リーグでも1918年のベーブ・ルース(レッドソックス)しか記録していないが、大谷は2年後の16年にも達成。

 ◆「1番・投手」で先頭打者アーチ 16年7月3日ソフトバンク戦で「1番・投手」で出場し、第1打席で中田の初球を本塁打。投手の先頭打者本塁打はプロ野球史上初。なお大谷が投手で出場した試合で打った本塁打はこの1本だけ。

 ◆最速165キロ 16年10月16日、ソフトバンクとのクライマックスシリーズで「3番・DH」で先発。3点リードの9回にDHを解除してリリーフ登板し、プロ野球最速を更新する165キロを吉村の打席で1球、本多の打席で2球記録。

 ◆投手とDHでベストナイン 大谷の投打にわたる活躍で16年からベストナイン選出の投票規定が変更。同一選手を複数ポジションに投票できることが可能になり、史上初となる投手と指名打者の両方でベストナインを受賞。

 ◆「4番・投手」で完封勝利 17年10月4日オリックス戦で、51年藤村富(阪神)以来66年ぶりとなる「4番・投手」で先発出場。打っては4打数1安打、投げては9回無失点10奪三振。4番投手の完封勝利は44年清水(近畿日本)以来73年ぶり。