チームトップの20本塁打を放っている阪神中谷将大外野手(24)が、クライマックスシリーズ(CS)先発チケットを懸けて今日10日中日戦(甲子園)に臨む。今季はCSファーストステージ開幕戦の先発が予想されるDeNA今永から8打数0安打とさっぱり。金本知憲監督(49)は「今、練習でやっている打ち方はいい」と評価。左腕ジョーダンとの対決で結果を残せば、CS先発もグッと近づくはずだ。

 1軍の全体練習が行われた秋晴れの甲子園。打撃ケージを見つめる金本監督は思案顔だった。

 金本監督 中谷が打っていないんだよな、全然ベイの左から。石田からしか打っていない。絶不調の時の石田からしか。今永は0安打やろ? 浜口は8の1か…。

 数字は正直だ。中谷は今季DeNA戦で5本塁打を放っているが、今永には8打数無安打、ルーキー浜口には8打数1安打と両左腕から16打数1安打。左腕石田からは2本塁打をマークしているが、いずれの本塁打も石田が調子を落としていた夏場に放ったものだ。14日に開幕するCSファーストステージの開幕戦は今永の先発が有力。不安が残る。ただ、指揮官は明るい兆しがあると予言した。

 金本監督 今、練習でやっている打ち方はいいから。体が突っ込まなくなっているから。今やったら打てるかも分からんね。

 解説は明快だった。今永、浜口のようにキレのいい直球が内角に来ると、それが気になってチェンジアップに手が出る。以前は体が突っ込んで軸で回転が出来なかった。指揮官は打撃フォームを映像で録画し、助言。反っくり返って打つイメージで練習を繰り返し、悪癖が解消しつつある。オーバーなくらいに意識することで軸回転を保てる。この日も熱心にアドバイスを送った。

 中谷 頑張ります!

 若虎は決意を短い言葉に込めた。今日10日の今季最終戦は中日左腕ジョーダンとの対決。結果を残せばCSに向けて大きなアピールにもなる。プロ7年目で初の規定打席到達。開幕から1軍でシーズンを戦い抜き、初完走のゴールテープも見えた。過去最高のシーズンを最高の形で締めたい。左腕打ちでCS先発の椅子を勝ち取る。【桝井聡】