西武が、楽天を戦力外となった松井稼頭央外野手(42)を獲得することが27日、決定的となった。鈴木葉留彦球団本部長(66)が調査を行うことを明言。松井稼は現役続行への意思が強く、話し合いに進んだ場合、古巣への復帰に大きな支障はないとみられる。メジャー経験を積んだ経験豊富なベテランが、15年ぶりに復帰することになりそうだ。

 西武が3度のリーグ優勝を支えた男の獲得に動く。この日、楽天が松井稼と来季契約を結ばないことを発表した。鈴木球団本部長は「(契約)条件とか、いろいろな話を聞いてからじゃないと。すぐに決まるかは分からない。しっかり話しをしてからです」と、調査を進める考えを示した。

 球団は、松井稼が入団からの10年間、チームの大きな戦力となった貢献度を考慮。03年オフにFA権を行使して海を渡り、7年間メジャーで戦った豊富な経験もある。練習に真摯(しんし)に取り組み続ける姿勢は、若手にとって生きた教本になる。今月23日に42歳となったが、同本部長は「年齢的にはいっているが、かといってうちのOBでもある」と、これまでの実績を鑑みていることを示唆した。

 調査に向けては「向こう(松井稼)がどういうものを望むのかと、こちらが望むことが全く違うと成立しないから」としたが、松井稼は現役でのプレー続行を最優先に考えている模様。球団側も選手契約を念頭に置いている模様で話し合いに進んだ場合も、もつれる可能性は低いとみられる。

 西武復帰となれば15年ぶり。プロとして第1歩を踏み出したグラウンドに、百戦錬磨の男が再び立つことになりそうだ。【佐竹実】