大商大(関西6大学)が、関大(関西学生)に勝利し、4年ぶりの明治神宮大会出場を決めた。1勝すれば出場が決まるスーパーシード権を持つ関大相手に、逆転勝ちした。

 2回にソロ本塁打で先制を許し、迎えた4回。主将の日下部光内野手(4年=福知山成美)の右翼越え三塁打から同点に追いつくと、6回にまたも日下部の右翼への二塁打から勝ち越した。

 日下部は今大会ここまで2試合で無安打と苦しんでいたが、富山陽一監督(52)に「気持ちばっかり先に出てる」と指摘され、この日4打数3安打3打点。「昨日まで悲惨だった。バットに当たらなくて、責任感があって力んでいた。強い気持ちで行きました」と主将として大事なところでしっかり決めた。リーグ優勝時は封印していた胴上げを、この日解禁。3度舞った富山監督は「うれしいですね」と穏やかに笑った。

 富山監督もナインも「オフは遠征中の車の渋滞中だけ」というほど、この夏は練習漬けの日々。8月は1カ月で22試合の練習試合をこなし、最大16連戦。疲れも体の張りもあったが「土壇場で粘ることができるようになった」と極限の状態が、勝利への執念と自信を作った。

 胴上げされた後、富山監督は「いろいろ言ってごめんな。辛抱してくれ」と選手たちに優しく声をかけた。試合中の厳しい表情とは全く違う、穏やかな笑みを浮かべていた。【磯綾乃】