来年30歳を迎える日本ハム斎藤佑樹投手(29)が、新球種習得へ向け汗を流している。3日、沖縄・国頭での秋季キャンプでブルペンに入り、81球を投げた。取り組んでいるのは、ここ数年は使っていなかったチェンジアップ。入団2年目に投げてはいたが、当時とは違いフォーシームの握りで同球種を投げる。幅が広がれば他の球種も生きてくるだけに、モノにできれば大きな武器となる。

 何度も球質を確認しながら投げ込んだ。2年ぶり勝利を挙げた今季も1勝に終わった斎藤が、新たな武器を手にするために、強い日差しが注ぐ沖縄で汗を流している。フォーシームの握りで投げるチェンジアップ。「真っすぐの軌道に乗せて、落とす。(速球との球速差は)20キロ以上は欲しいです。(打者を)泳がせたりできれば」。投球の幅を広げるために、さらなる進化を求めている。

 チェンジアップは入団2年目の12年頃には投げていたが、ここ数年は使っていなかった球種。また当時も、ツーシームの握りで投げており、今回はほぼ新球種といえる。日本ハムのブルペンには、投球の軌道、回転数などを計測するデータ分析機器「ラプソド」が導入されている。数値を取るアナリストにも話を聞きながら、同球種に挑戦することを決めたという。

 斎藤は昨オフから、直球を磨くとともに、カットボールやツーシームなど、直球と同じ軌道から微少に変化させて打ち取るボールに力を入れてきた。フォーシームの握りで投げるチェンジアップも、打者には直球だと思わせてスイングを始めさせ、縦の変化で打ち損じさせることができる。

 今月12、13日に予定されている練習試合(対侍ジャパン、対巨人)での登板はなさそうだが、来春の実戦で解禁するのが楽しみになる。「ブルペンでどれだけ頑張っても意味がない。打者の反応なので。(キャンプインの)2月に操れているのが理想です」。来季は8年目。早実の後輩・清宮が入団してくることも刺激になる。先発ローテーション入りをかけた勝負は、すでに始まっている。【本間翼】