今季限りで現役を引退した中日森野将彦打撃コーチ(39)が3日、「自立のススメ」を説いた。あす5日、ナゴヤ球場での秋季キャンプの紅白戦に向けて「紅白戦で自分がやらないといけないことが分かる。来週からは個人で考えてやる練習をやっていかないと。やらされる練習ではこれまでと変わらない」と話した。

 つい最近まで、同じ選手の立場だったから分かることがある。5年連続Bクラスからの脱出へ、若手の台頭は必須。リーグ優勝や日本一も経験し、強竜を知る森野コーチは意識改革の必要性を感じていた。「それぞれ選手によってやることは違う。考えることをしないと。これがしたいということを見つけてほしい」と、自発的な練習を呼びかけた。

 この日は居残り特打をしていた高橋の打球音を聞きつけ、風呂上がりで室内練習場へ直行。声を上げながら約1時間、マンツーマンで指導した。11年ドラフト1位で入団したが伸び悩む高橋に、森野コーチは「あの子に光が見えているかが大事。僕からは何もないですよ」。コーチを託された直後から「あいつだけには厳しくする」と目をかけてきた。自立を促す、厳しくも愛のこもった指導で若手育成に尽力する。【宮崎えり子】