オコエさんから学びたい。楽天育成2位の光南・松本京志郎内野手(18)が8日、福島・矢吹町の同校で契約合意。強い打球を広角に打ち分ける打撃が武器だが、足りないスター性や走力を身につけるために、侍ジャパン選出のオコエ瑠偉外野手(20)に弟子入りを志願した。新ヘアの五厘丸刈り継承にも意欲を示した。23日のファン感謝祭(Koboパーク宮城)で“師匠”と初対面する予定だ。

 初めて楽天のユニホームを着た松本が“師匠”を逆指名した。「オコエ選手に、いろいろ学びたいです。すばらしい走塁と、性格がスターみたいなところ。僕に足りない部分だと思っているので」。夏以降は髪の毛を伸ばし続けてきたが「五厘刈りにします」と髪形まで習って、弟子入りするつもりだ。

 172センチと小柄ながら通算31本塁打したフルスイングが最大の持ち味だ。高2夏の福島県大会決勝では聖光学院相手に先頭打者弾。高校3年間で喫した三振もわずか5個。「いずれは200本安打を打てるような、楽天の中心選手になりたい」と目標を掲げる。同席した上岡スカウトからも「打撃は銀次を見た時と同じ印象。ファームで鍛えれば茂木クラスになる」と期待される一方、「走塁と守備を頑張ることがレギュラーにつながる」と遊撃の定位置獲得への課題を示された。ポジションは違うが、侍ジャパンメンバーの先輩から、すべてを吸収する。

 プロを意識したのは、巨人で活躍し、DeNA監督も務めた矢吹町出身の絶好調男・中畑清氏の存在。小5時にソフトボールの「中畑清杯」で指導を受け「間が良いね」と絶賛された。「プロのすごい人に初めてほめられて自信になった」。幼少期は何度も入退院を繰り返し、一時は生命の危機にも直面しただけに「大震災から復興していない地域もある。そういう方々に勇気を与える選手になりたい」と使命感も人一倍強い。支度金200万円、年俸250万円(金額は推定)の育成契約だが、オコエとともに、楽天のスターになる覚悟を決めた。【鎌田直秀】

 ◆松本京志郎(まつもと・きょうしろう)1999年(平11)9月21日、福島・白河市生まれ。西郷村の小田倉スポーツ少年団で小3時にソフトボールを始め、西郷二中の軟式野球部で県南選抜入り。光南では1年秋から中軸。2年春に県大会制覇。同夏は準優勝。遠投100メートルの強肩。対戦したい投手は同じ楽天の松井裕。趣味は携帯アプリゲーム。172センチ、72キロ。右投げ左打ち。家族は両親、弟、妹、祖母。