「セ界1」の頭脳が加わった。ヤクルトは9日、広島を退団した石井琢朗1軍打撃コーチ(47)と河田雄祐1軍外野守備走塁コーチ(49)と契約を結んだと発表した。背番号は石井コーチは「81」、河田コーチは「71」となった。

 この日、両コーチは都内の球団事務所に訪れて正式に契約を交わした。2人とも今季まで広島の連覇に貢献。今季球団最悪の96敗を喫したヤクルト復活への起爆剤としての期待が寄せられる。

 石井コーチは「ヤクルトの伝統復活」を掲げる。横浜時代など現役時代を回想し、野村監督時代のヤクルトと数多く対戦。現HCの宮本や内野守備走塁コーチの土橋といった1点を取るための攻撃が受け継がれているとした。「僕が広島で打撃コーチに就任した時は15年にヤクルトが優勝した時の打線がベースになっている。派手さはないが攻撃の形がしっかり出来ている。点の取り方もチームに浸透している」と説明。現在の広島打線はヤクルトが参考になっていると明かし、けが人が多く機能していなかった今季から、もう1度攻撃の仕方を再確認するとした。

 河田コーチは「積極性」を求めた。今季広島はリーグトップの112だったのに対し、ヤクルトの盗塁数はリーグ5位の50。打順の関係もあり、山田らが走れなかったのではと分析した。そのため「山田が塁に出ても次がバレンティンで走るのを自重しているのかなと、敵チームとしてとらえるのはあった。それはなるべく無くしていきたい。走る環境にすれば相手のプレッシャーにもなるし、何かやってくると思えば相手は嫌。積極的に仕掛けていけるような環境に持って行きたい」と走塁意識の改革を目標に掲げた。