ファンの皆さん、若虎たちのナマ声を聞かせますよ! 阪神矢野燿大新2軍監督(48)が、斬新なファーム改革プランをぶち上げた。鳴尾浜球場など2軍主催試合での勝利後、選手同士の掛け合いでヒーローインタビューを実施。球界初の試みでスタンドを盛り上げ、選手の話術も磨く究極のファンサービスを提案した。

 なんでやねん! そんなツッコミが、試合後の鳴尾浜に響き渡るかもしれない。今秋からファームを束ねる矢野2軍監督が、驚きの計画を披露した。それはお笑いの本場、関西の球団ならではのスペシャルプランだった。

 矢野2軍監督 ヒーローインタビューで選手同士でやらせたらどうかなって。アナウンサーの方が聞くのではなくて、選手同士で今日のヒットはどうでしたかって聞くとちょっと柔らかくなると思う。

 ぶち上げたのは選手同士による「掛け合いお立ち台」だ。自身も現役引退後にテレビ中継の解説やスポーツコーナーの仕事を経験して、トークの難しさを実感。野球と同じく、準備の重要性を痛感した。だがプロなら、プレーだけでなく、トークでファンをつかむことも大事な要素。ファームのお立ち台自体は珍しくはないが、選手同士の掛け合いは球界初の試みで、斬新なファンサービスになる。

 矢野2軍監督 うまい、下手は関係なくね。そういうのにトライするっていうのもいいんじゃないかなと思って。ファンの人も喜んでくれるかもしれないし、お互いが勉強になるんじゃないかなって。聞く(側の)人ってこんなに難しいんだとか、何を聞いたらいいんだろうって。

 さっき活躍したばかりのヒーローがファンの前に立ち、掛け合いで本音トークを展開すれば、客席との距離はグッと近づく。注目されてナンボのプロ野球の世界。人前で話すことで度胸もつき、受けたり滑ったりで話術も磨ける。晴れて1軍のお立ち台に上がった時には、満を持した完璧トークでファンのハートをワシづかみにする。矢野2軍監督自身も現役時代は「必死のパッチ」のフレーズで、何度も甲子園を沸かせた。

 着々と進む矢野流ファーム改革。打ってヨシ、守ってヨシ、走ってヨシ。しゃべってヨシ。4拍子そろった若虎を1軍に送り込む。

 ◆矢野燿大(やの・あきひろ)1968年(昭43)12月6日、大阪府生まれ。桜宮から東北福祉大を経て、90年ドラフト2位で中日入団。97年オフに阪神移籍し、03年と05年のリーグ優勝に貢献。10年に現役引退。16年から2年間、阪神1軍で作戦兼バッテリーコーチを務め、この秋2軍監督に就任。現役時代は181センチ、81キロ。右投げ右打ち。