桑原将志外野手(24)はヤング侍の陰のキーマンだ。短期決戦を制するにはチームの団結が必須。DeNAの1番打者として日本シリーズ出場に貢献した元気印は、グラウンド内外で仲間を盛り上げ、雰囲気作りに一役買っている。

 11日の夜。焼き肉店に稲葉監督はじめ選手、スタッフがバスで集まった。侍ジャパン恒例の決起集会。野手最年長山川の乾杯の音頭で始まると、ものの数分で選手のテーブルから笑い声が上がるようになった。

 約2時間の宴で笑いの中心にいたのは誰か。山川は「僕じゃない。オコエかな」。そのオコエは「桑原さんがすごかった。普段から面白いけど飲むともっと面白い。テレビの印象と全然違った」。京田も「桑原さんはぶっ飛んでました」と思い出し笑いした。

 「一発芸とかではなくて、話ですね」と本人。武器はトークとものまね。ときには立ち上がって数人の打撃フォームを模写。全力で場を盛り上げた。WBCの決起集会も経験した、ある関係者は「今回は若いだけあってWBCより盛り上がっていた」と証言した。桑原はもちろん、ただ楽しんでいるわけではない。

 「各チームから集まってきたけど、やるからには1つになれればという思いです。短期決戦だとなおさら全員が1つの方向を向かないといけない。1人でも違う方向を向いていたら勝てない。勝つことの大変さは分かっているので」

 3位DeNAは長いCSを勝ち抜いて日本シリーズに進出。チームが団結していくプロセスを肌で感じた。この日、9番中堅で2安打を放ち、プレー面でも不可欠な選手だが、雰囲気作りも重要な役回りと自任する。初戦を終えて「ベンチは元気がよくて、雰囲気がよかった」とうれしそうに話した。【柏原誠】