金の卵を大きく育てる。ヤクルト小川淳司監督(60)がドラフト1位指名の九州学院・村上宗隆捕手(17)に日本ハム大谷流の育成法を検討していることが14日、明らかになった。

 秘策は管理だった。10月下旬、神宮で大学野球を観戦していると日本ハム栗山監督と偶然遭遇。大谷の育成裏話を聞き込んだ。二刀流に挑戦した逸材を、私生活からどのように指導していたのか関心があった。「出かける時は誰とどこに行くかとか報告をさせていた。大谷はほとんど外に出ず、練習していたから手がかからなかったそう」と育成成功の裏に厳しい制限を課していたと知った。

 現在若手が暮らす埼玉・戸田寮では外出など監督への報告義務はない。しかし高校通算52本塁打のスラッガー村上を次代の主砲と期待。「ウチはそういうのがない。何かあってからでは遅い、管理することも考えないと」と寮生活から大谷流の監視を導入して、野球に集中させていく。

 この日、村上は都内の神宮クラブハウスに施設見学に訪れ、「高校よりも良い設備で野球が出来ると思います。気を引き締めて練習したい」と目を輝かせた。球団スカウトらへ熊本銘菓の「陣太鼓」を持参するなど気づかいは完璧。大谷に負けず、健全な私生活から大きく育つ。【島根純】