阪神新外国人の台湾代表・呂彦青(ル・イェンチン)投手(21=国立台湾体育運動大)が14日、甲子園室内練習場で来日初のブルペン投球を披露した。矢野2軍監督、高橋2軍投手コーチらが見守る前で捕手を立たせ、30球程度、腕を振った。視察した矢野2軍監督は「生きのいい球を投げていた。投げているところを見るといいところがあった」と6日に契約したばかりの左腕に期待を寄せた。

 高橋2軍投手コーチはロッテ、中日、巨人と渡り歩き、通算78勝を挙げた左腕とイメージを重ねた。「巨人にいた前田幸長みたいな感じがした。思いっきり腕を振れるのが長所」。前田氏は細身なサウスポーだったが、キレのある速球とナックルボールを武器にプロで19年間働いた。呂彦青は直球がシュート回転する癖があるものの、まだ21歳。国際大会経験も豊富で、フォーム修正や筋力アップで磨きをかければ、まだ伸びそうな素材だ。

 就労ビザの取得が間に合わず、ユニホームに背番号は入っていない。現在は独身寮の虎風荘で生活をしながら、秋季練習に参加。チームの外国人投手の層は厚いが、ジャパニーズ・ドリームを夢見て汗を流す。【山川智之】

 ◆呂彦青(ル・イェンチン)1996年3月10日生まれ。台湾・高雄市出身。小4から野球を始め、台湾体育運動大では15年光州ユニバーシアード、プレミア12、16年U23W杯、17年BFAアジア野球選手権など代表歴多数。直球のほかカーブ、スライダー、チェンジアップを投げる。178センチ、72キロ。左投げ左打ち。