幕張で真田幸村のごとく、芯の強き打者になる。ロッテの新入団選手発表会が5日、東京・西新宿のロッテ本社で行われ、ドラフト1位の履正社・安田尚憲内野手(18)が「本塁打王」をプロでの目標に定めた。

 甲冑(かっちゅう)ならぬ、真新しいユニホームに身を包んだ安田は「ロッテでは最近、ホームラン王が出ていない。僕が取りたいです」と力強く語った。背番号「5」は、球団の高卒野手ルーキーでは03年西岡以来となる1ケタナンバー。期待の大きさにふさわしいタイトル獲得宣言に、井口監督も「非常に楽しみ。マリーンズだけでなく球界を背負って立つ選手」と熱いまなざしを送った。

 ロッテでは86年の落合博満以来となる最多本塁打へ、己の道を突き進む。父功さんは高校の社会科の先生。幼少期から司馬遼太郎の小説を読みあさり、日本史の試験はほぼ満点という「歴男」は戦国武将・真田幸村を愛する。「大坂夏の陣で、どんな状況でも自分の芯を持って最後までやりきる姿がカッコイイ。僕も軸をしっかり持ってプロの世界で戦っていきたい」。

 信念を持ち、理想の打者に近づく。打のヒーローは元ヤンキース松井秀喜。米国でもなお「ゴジラ」の愛称で親しまれる姿にしびれた。「それくらい、大きな存在になっていけたら。『千葉のゴジラ』と呼ばれたい」。高校通算65本塁打の若き大砲は刀をバットに持ち替え、合戦への1歩を踏み出した。【鎌田良美】

 ◆真田幸村 戦国時代屈指の武勇にたけた武将で「日本一の兵(ひのもといちのつわもの)」と評される。本名は信繁。武田家臣だった昌幸の次男で、紆余(うよ)曲折をへて豊臣家臣に。関ケ原、大坂の陣と一貫して豊臣方で戦った。大坂夏の陣では徳川家康の本陣に突撃。家康をあと1歩まで追い詰めたともいわれるが敗走。討ち死にした。