東北を盛り上げる舞台に立った。ロッテのドラフト5位、NTT東日本・渡辺啓太投手(24)が5日、東京・西新宿のロッテ本社で新入団選手発表会に臨んだ。福島・いわき出身の右腕は「プロは、仙台でも試合がある。僕1人の力では無理だけど、同じ東北で活躍する姿を見せて、復興のきっかけになればと思います」と意気込んだ。

 あの日のことは忘れない。いわき光洋2年だった6年前の3月11日、野球部の練習を終え、いわき市内のファミレスで遅めの昼食を食べていた。激しい揺れ。幸い、家族や自宅に大きな被害はなかったが、その後が大変だった。「野球をしたくても出来ない状況になりました。それまで当たり前で普通だと感じていたことが出来ないもどかしさ。野球が出来ることに感謝して、プレーするようになりました」と、感謝を胸に野球を続けている。

 1年目の目標には「先発ローテ入り、新人王」としたためた。最速145キロの直球を軸に、球のキレで勝負する。【古川真弥】