来季3割40発で中堅レギュラー奪取!! 阪神中谷将大外野手(24)が5日、西宮市内の球団事務所で契約交渉を行い、3倍を超える2600万円増の年俸3800万円でサインした。今季は自己最多の133試合に出場し、チーム最多の20本塁打。手堅い守備も高く評価された。来季は中堅の定位置を巡って、高山らと争うことになりそう。「1つのポジションをきわめて渡さない」と気合十分だ。打率3割も目標に掲げ、進化を目指す。(金額は推定)

 テレビカメラがズラリと並ぶ前で、思わず笑みがこぼれた。バラ色の契約更改。中谷はアップ率217%の3800万円に即答した。「満足です。すぐ(印鑑を)押しました」。今季、有望株ぞろいのヤングタイガースで誰よりも成長した。チーム最多の20本塁打は阪神の生え抜き右打者では06年浜中以来の“大台”到達だ。

 それでも、すぐに表情を引き締める。

 「今年の終盤、出られなかったので、まだまだ甘い部分が多い。もっと実力を上げられるように。まずい守備もありましたし、打撃もまだまだ。3割を目指すという気持ちが強いです」

 悔しさがある。最終盤に打撃を崩し、100安打に1本、届かず。打率も2割4分1厘にとどまった。クライマックスシリーズは代打で1打席と、蚊帳の外だった。「その日の調子次第だった。良ければポンポンと行けるけど、悪かったときは修正の仕方が分からなくて、ズルズル行ってしまったのが多かった。来年はムラをなくすのをやっていきたい」と語気を強めた。

 好不調の波を小さくするのも来季に向けた課題だ。11月の安芸キャンプでは右打ちを意識した。もともと、右腕で押し込んでいくタイプだという。右方向に打ち、確実性の向上をもくろむ。同下旬のファン感謝デーで「40本打ちます」と宣言しており、3割&40本塁打を狙っていく。

 この日の席上では、守備も話題になった。「守備のことを結構、評価してもらった。自分も力を入れていたので、うれしかった」と明かす。今季は外野で103試合守った一方、一塁でも32試合出場。だが来季は新外国人候補で入団濃厚なロザリオが一塁を任される方向で、中谷は外野に専念する流れだ。16年新人王の高山や俊介らと中堅を競い合う構図になる。

 「どこか1つのポジションをしっかりきわめて、渡さないつもりで、やっていきたい気持ちはある」

 将来は4番候補だ。揺るぎなき地位を築くためにも攻守で足固めする。【酒井俊作】