楽天の枡田慎太郎外野手(30)が、プロ13年目の来季に野球人生をかける。7日、仙台市内の球団事務所で契約更改交渉し、600万円減の1900万円(金額は推定)でサイン。クライマックスシリーズ(CS)ファーストステージ第3戦でのダメ押し弾がなければ“クビ”も覚悟した心境も明かし、奮起を誓った。

 枡田の尻に火が付いた。上限に近い減額提示にサインすると「結構きつめの、いっぱいいっぱい。仕方ないです」と苦笑い。「あれ(CSの活躍)がなかったら、今日、この日を迎えられてないんちゃうかなと思っています」。現役続行にも危機感を抱いていた。

 10月16日、西武とのCS第1S第3戦が運命を左右した。初戦に敗れ、ファイナルステージ進出に王手をかけられていた前日の第2戦から、2戦連続で8番DHで先発に抜てきされた。2戦合計8打数4安打、1本塁打3打点の大活躍。特に、逆王手をかけて迎えた第3戦の8回、左翼ポール際に放った試合を決める2ランは輝きを放った。

 今季レギュラーシーズンは、左の代打として32試合に出場も、打率1割6分9厘、4打点に終わった。6年連続となった本塁打も、わずか1本だけ。「もちろん、来年は野球をやっている以上はレギュラーを目指してやる」と、現状の役割に満足していない。

 来年1月末からは岡山・倉敷市内で自主トレを開始する予定だ。走り込みを中心に、まずは1年間ケガをしない体づくりに重点を置く。「もう1度野球ができる喜びを味わいながら、1日1日を大切に過ごしていこうと思います」。外野手はドラフト2位の右の大砲・岩見(慶大)の加入などでさらに激戦だが、定位置争いに負けるつもりはない。【鎌田直秀】