巨人藤村大介内野手(28)が“ジャイアンツ愛”を貫き、憧れのユニホームを脱いだ。「体は元気です。痛いところもない。まだプレーできるという思いもあった」と来季への意欲は消えていない。だが、他球団でプレーする選択肢はなかった。

「小さいときからの夢は『ジャイアンツのユニホームでプレーすること』でした。来季、違うユニホームでプロとしてプレーする自分の姿を想像できなかった」と胸の内を明かした。

 07年高校ドラフト1位で巨人に入団。11年5月13日広島戦で1軍初出場を果たすと初盗塁をマーク。二塁の定位置をつかみ、シーズン28盗塁で盗塁王のタイトルを獲得した。小柄で俊足の特徴から「ファミスタ」のピノの愛称でファンからも愛された。「日本一に経験できた。盗塁王も獲得できた。ホームランは1本も打てませんでしたが、幸せな時間でした」。悔しさ半分も、巨人での現役10年間に感謝の意を示した。

 第2の野球人生でも“愛”を貫く。12月に都内在住の一般女性と結婚した。「この人となら今後の新たな人生を楽しく送っていけると思いました。とにかく明るく楽しい家庭を築いて行きたいと思います」。現役引退という大きな決断を、隣で寄り添って支えてくれた最愛の伴侶にも感謝した。来季からはアカデミーコーチに就任する。「指導者としては1年目なので日々勉強していきたいと思います。野球の楽しさを1人でも多くの子どもたちに伝えていきたい」。二人三脚で力強く人生を歩んでいく。【巨人担当 為田聡史】