巨人へFA移籍した野上亮磨投手(30)の人的補償として西武に移籍した高木勇人投手(28)の入団会見が20日、埼玉・所沢市の球団事務所で行われた。野上の背番号「20」を引き継ぐ。先発として期待される右腕は「巨人を倒す」と古巣への“恩返し”を誓った。

 ライオンズブルーをまとった高木が、巨人への思いを素直に打ち明けた。「野球を始めたころから巨人が好きで。好きだから、違うチームで対戦して倒すのが夢でした。違うチームで巨人を倒す。昔から考えていた」。

 人的補償に引け目を感じる必要などまったくない。「いい機会だと思います。強い気持ちを持って」。この前向きさがなければ勝負の世界で一線は張れない。「巨人戦に投げるということは、1軍でしっかり投げているということ。戦力と思われるようなアピールをしたい」。西武と巨人の交流戦は来年6月8日からの3連戦。おのずと当面の目標が定まった。

 受け取ったリストに高木の名前を見つけた鈴木球団本部長は「想定外だった。見た瞬間。即決ですよね。先発が1枚足りない」と見初め、あっという間に辻監督とも意見の一致を見た。夢と意地を指先に込め、打倒巨人といく。【宮下敬至】