1年先のターゲットは元メジャーの韓国人大砲だ。阪神が韓国プロ野球で14年から2年連続50本塁打を記録した元ツインズの朴炳鎬(パク・ビョンホ)内野手(31=ネクセン)の調査を本格化させることが29日、分かった。台湾プロ野球で2年連続打率4割を記録した王柏融(ワン・ボーロン)外野手(24=ラミゴ)の調査もスタート。米国や中南米に加え、市場をアジア一帯に拡大した新助っ人ルートの本格開拓に入った。

 金本阪神が来オフの補強に動き出していた。メジャーを経験した3人の韓国人スラッガーに注目していることが判明した。球団関係者は「メジャーで通用しなかったが、ポテンシャルは今後の調査対象になってくる」と説明。その筆頭候補は阪神が今オフも水面下で獲得を検討し、今季までツインズに所属していた朴炳鎬(パク・ビョンホ)だ。

 14、15年と2年連続で50本塁打をマークした朴は、主に一塁を守る右の大砲。15年オフにポスティングシステムを使い、ツインズと4年総額1200万ドル(約13億8000万円)の大型契約。“韓国のゴジラ”が鳴り物入りで海を渡った。だがメジャーの壁にぶつかり、16年は打率1割9分1厘、12本塁打、24打点と低迷。今季はメジャー昇格できなかった。11月に残り2年の契約を解除して古巣の韓国ネクセンと契約。来季から母国復帰する朴は、阪神の重要調査対象選手だ。

 注目選手は他にもいる。元オリオールズの金賢洙(キム・ヒョンス)外野手(29=LG)もその1人だ。08年に韓国で首位打者と最多安打を獲得した左の好打者で、来季は韓国LGで3年ぶりに母国に復帰する。

 また、姜正浩(カン・ジョンホ)内野手(30=パイレーツ)の動向も見守っている。昨オフ帰国中の韓国で飲酒運転事故を起こして逮捕され、米国ビザの取得拒否が続くなど、来季去就で不透明な状況が続く。だが、メジャー2年間で36本塁打をマークした一発長打が売りの右の主砲だ。

 阪神は来季外国人として、韓国ハンファから、2年連続3割30発100打点をマークしたウィリン・ロサリオ内野手(28)を獲得した。だが、メジャーを経験した韓国人選手の獲得となると、球団史上初めてだ。一方で、台湾プロ野球で2年連続打率4割を記録した王柏融(ワン・ボーロン)の調査も開始。米国や中南米に加え、アジア一帯に市場を拡大した新助っ人獲得ルートの本格開拓に入った。今後は各選手の契約内容なども精査し、獲得の可能性を探る方針。1年先を見据えた補強作戦が早くも、水面下で動きだしている。

 ◆朴炳鎬(パク・ビョンホ)1986年7月10日生まれ、韓国・ソウル出身。14、15年の2年連続50本塁打は韓国プロ野球初。ツインズ移籍の際のポスティング入札額1285万ドル(約15億4200万円)は当時、マリナーズへ移ったイチローに次ぐ高額。185センチ、99キロ。右投げ右打ち。

 ◆金賢洙(キム・ヒョンス)1988年1月12日生まれ、韓国・ソウル出身。09年WBCでは、指名打者でポジション別の優秀選手。15年11月の国際大会「プレミア12」では13打点を挙げ、韓国の優勝に貢献し最優秀選手。同年12月、オリオールズにFA移籍。188センチ、95キロ。右投げ左打ち。

 ◆姜正浩(カン・ジョンホ)1987年4月5日生まれ、韓国・光州出身。13年WBC韓国代表。14年オフにメジャーへポスティング移籍。15年9月には試合中に左膝靱帯(じんたい)断裂などの大けがで手術を受けたが、16年5月の復帰戦で2本塁打。愛称は「韓国のA・ロッド」。183センチ、95キロ。右投げ右打ち。