侍ジャパン、目指します! 阪神ドラフト1位の馬場皐輔投手(22=仙台大)が11日、東京都内のホテルで行われたNPB新人選手研修会に参加し、将来の日本代表入りを熱望した。元侍戦士の岩村明憲氏(38)の講演で聞いた「何苦楚魂」(なにくそだましい)の体験談に感銘。阪神で1年目から大活躍して、20年東京オリンピック(五輪)と21年第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)へ。決意を新たにした虎の背番号18が、ジャイアントな夢を実現させる。

 馬場は穏やかな表情を浮かべ、日の丸へ思いを明かした。「自分もそこ(日本代表入り)までいけるように、頑張りたいという気持ちは持っています」。20年に東京五輪、そして21年には第5回WBCが控える。ジャイアントな夢は、近い将来の侍ジャパン入りだ。

 ドラフト指名後、あまり目標を語らなかったが、心を動かした人物がいた。この日の新人研修会で、ゲスト講演した元侍の岩村明憲氏だ。

 何苦楚魂-。岩村氏の座右の銘だ。「人生は何ごとも、苦しい時が自分の基礎(楚)となる」。06年第1回、09年第2回のWBC(で連覇に導いた立役者だからこそ話せる体験談。馬場自身、学生時代に日本代表とは縁がなかった。だが日の丸を背負う重圧と喜びを伝え聞いた約40分の熱血トークで一気に心は高ぶった。

 「どんどん失敗もして、それを勉強して成長していく。その過程が大事。タフというように、体力面、精神面もこれから必要になってくる。信念を持って、やっていかないといけない」

 岩村氏は憧れの人だった。ヤクルト、メジャーを経て11年に楽天へ移籍。東日本大震災で被災を経験した人に、プレーで勇気や感動を与え続けた。その姿は当時中学生だった馬場の脳裏にも深く刻まれている。

 午前は野球殿堂博物館を見学した。「WBCのユニホームや、第1回、第2回の優勝が印象に残った。日本の野球を世界に発信できている部分を生で見られたのは大きかった」。阪神の大先輩で永久欠番の背番号11、村山実さんや4日に急逝した星野仙一さんのレリーフとともに記念撮影。猛虎の系譜にも触れ、さらに表情は引き締まった。

 「日本を代表する名選手の方々、また殿堂入りされている大先輩の記録だったり、歴史というのを実感できた。オリンピックはこれから結果として徐々に求めていけばいい。プロ野球選手になった自覚を持って、1年目をやっていきたい」

 まずはルーキーイヤーから活躍して阪神を代表する投手を目指す。そして球界を代表する右腕に成長し、日の丸を背負って戦う。背番号18が、大志を抱いてプロに飛び込む。【真柴健】