楽天のドラフト5位耀飛(あきと)外野手(21=関西・兵庫)が14日、故星野仙一球団副会長に「4番を打っている姿を見せたい」と誓った。仙台・泉で新人合同自主トレに参加。ロングティーの段階ながら力強い打球音を室内練習場に響かせ、バイクをこぐテストではドラフト2位岩見と並び瞬発力でトップ。4番を任される日々をイメージしながら汗を流した。

 独立リーグ兵庫に入団前、星野氏の本を読みあさった。「小さいことの積み重ねが大事だと。自分は甲子園にも出てないし高校で目立った活躍もしていない。コツコツやるタイプなので、すごく心に響きました」。兵庫では迷わず星野氏の背番号77を選択。昨年、打率4割2分2厘、15本塁打のリーグ2冠に輝くまでに成長し「運命を感じます」という楽天からの指名を勝ち取った。

 独立リーグでの圧倒的な数字は、兵庫が「耀飛選手の実績に敬意を表して」と77番を永久欠番にしてしまったほど。関係者によると楽天でも77番をつけたい気持ちが少なからずあったようだが、さすがに星野氏の番号は難しいため、50本塁打の期待を込めた背番号50となった。

 大のメジャー好き。兵庫の同僚で元ヤンキースの井川慶にトレーニング法を聞き、ツイッターでダルビッシュに質問したこともある。「早く1軍で出て、2桁本塁打を打ちたい」。ファンだというスタントン(ヤンキース)のように、強烈なスイングでボールをクラッシュ(つぶす)し、杜(もり)の都に大アーチをかける。【千葉修宏】

 ◆耀飛(あきと)本名・田中耀飛。1996年(平8)3月5日、大阪府生まれ。香川・英明高では1年からレギュラーも甲子園出場はなし。独立リーグ関西・兵庫ブルーサンダーズの教育プログラムを利用し、提携する芦屋大に通いながら“学生独立リーガー”として15年から兵庫でプレー。16年本塁打王、17年は首位打者と本塁打王の2冠。180センチ、96キロ。右投げ右打ち。外野手。