今年の野球殿堂入りが15日、東京都内の野球殿堂博物館で発表され、競技者表彰のプレーヤー表彰として日米通算507本塁打を放った松井秀喜氏(43)ら4人が選ばれた。

 松井秀喜氏は米ニューヨーク州で仕事があったために帰国できなかった。父の昌雄氏が代わりに野球殿堂入り通知式に出席し「大変な名誉。この上ない喜びと光栄な気持ちであります」との本人のメッセージを壇上で代読した。

 野球殿堂博物館を通じて発表された談話には、プロ入りした時から付きっきりで指導を受けた長嶋監督への感謝の言葉が何度もつづられた。監督の自宅や遠征先などでひたすら素振りに明け暮れた思い出を振り返り「監督とのご縁がなければ、本日を迎えられなかった。野球選手としての大きな礎になりました」と記した。

 長嶋氏から送られたお祝いのメッセージには「私の前で何十万とスイングしたが、一振りたりとも手を抜きませんでした」とあった。昌雄氏は「練習する姿を見せない子だったけど、中学、高校と寝る前に素振りをしないで寝たことが一日もない」と懐かしそうに話した。

 米国では大リーグ、ヤンキースのゼネラルマネジャー(GM)特別アドバイザーとして既に指導者生活をスタートさせている。長嶋氏は「いつか指導者として次代の日本を背負える4番打者を育ててほしい。私にとって、大きな夢」と期待を寄せた。