中日の新外国人ディロン・ジー投手(31=ツインズ傘下)が日本でも開幕投手を狙う。26日、ナゴヤ球場で来日初のトレーニング。キャッチボールでは変化球を織り交ぜた。エース級の活躍を期待されるメジャー51勝右腕はメッツ時代の14年にも開幕投手を務めており、日米での大役が照準。松坂と同僚だった男が、3月30日開幕広島戦(マツダスタジアム)のマウンドに照準を定めた。

 まだ積もった雪が残るナゴヤ球場で、メジャー通算51勝右腕が、シーズン開幕に目を向けた。キャッチボールではカットボール、カーブ、チェンジアップ、シンカー、ツーシームと多彩な変化球を披露。寒波には「とても寒いよ」とタジタジだったが、ジーの闘志は燃えていた。

 3・30の栄えあるマウンドに立つ。「もし首脳陣が決めて、開幕戦の先発となれば誇りに思う。光栄に思いながらボールを握りたい。ただ、自分の優先順位は試合で勝つことだよ」。開幕だけでなく、どんな試合でも勝利を追い求める姿勢は変わらない。

 その年のチームの顔とも言える大役を務めれば、松坂と同僚だった14年のメッツ時代以来となる。中日の開幕の相手はセ・リーグ2連覇の広島。昨季8勝15敗2分け、特にマツダスタジアムでは2勝12敗と大きく負け越した鬼門だけに、大リーグで2度の2桁勝利を挙げたジーの右腕に託す可能性は十分ある。

 これまでは毎年、2月中旬にブルペン投球を始める調整だった。だが「固執するつもりはない。早める気持ちはある。日本は早めの調整だということを、聞いたからね」とニコリ。今オフは、平地のキャッチボールながら、力を入れて行ってきたという。

 シーズン前にはキャリーアン夫人(31)長男ハドソン君(4)長女シャーロットちゃん(2)が来日予定。最高のエネルギーになる。「いろんな日本の話を聞いてきたけど、自分の考え方に偏見を持つことはやめようと思っている」。郷に入れば郷に従え。日本の流儀を受け入れ、開幕マウンドへ向かう。【宮崎えり子】