大リーグ挑戦を目指し、ロッテから海外フリーエージェント(FA)権を行使した涌井秀章投手(31)が、ロッテに残留する意思を固めたことが分かった。決断の理由は-。

 1月、米ハワイでの自主トレを終えた涌井のもとを訪れた。去就に関しては「まだ、決まってないです」と多くを語らなかったが、ロッテの話題については冗舌に変わった。

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 もちろん、自らの夢だったメジャー挑戦を目指したが、ロッテへの思いも強く感じた。そして、涌井はこう続けた。「僕の決断を尊重してくれた球団、井口監督、チームメート、ファンの方々。待ってくれる方がいるので、少しでも早く、結論を出さないといけないと思っています」。

 数日後、涌井はロッテ残留の意思を固めた。このオフ、メジャーのFA市場は歴史的なスローペースと言われ、待つことも選択肢の1つだが、ロッテの春季キャンプ前に心を決めた。関係者によれば「ロッテに残るのであれば、キャンプはしっかり参加しないとチームに迷惑をかける」と話したという。

 14年にロッテに移籍後、涌井は「僕は優勝したいんです」と言い続けた。だから、昨年の契約更改でも、球団にソフトバンクに移籍したデスパイネに変わる強打の新外国人選手の補強を訴えた。今後は再度、球団と交渉の場を設け、サインするとみられる。近日中に涌井が自らの言葉で思いを語る。